51446
博碩士論文
名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士 (論文) 学位授与年月日:平成1年2月7日 , 第1章緒論 しごき加工は,高精度の金属薄肉円筒を能率良く製作し得る塑性加工技術であり,アルミニウム飲料缶等の量産技術として広く用いられている。この技術は今日電子機器用微細管状部品等の製造技術としても重要な地位を占めているが,円筒状あるいは管状電子部品の壁肉厚を極めて薄くすることができれば,金属資源の節約はもとより,その熱的,電気的性質等の改善によって電子機器等に新たな機能を付与することも可能である。このような観点から,しごき加工による金属円筒の薄肉化限界を究明するため,その第一段階として本論文では,薄肉円筒のしごき加工限界を支配する焼付き,材料破断およびしわ発生現象の出現条件と発生機構を明確に把握することを目的としている。そのため,まず工具と材料に作用する力が正確に分離測定され,工具面摩擦状態が量的に把握され得るしごき試験装置と実験方法を確立する。そして工業用純アルミニウムを素材料として,加工後肉厚が0.15mm~数10μmの範囲でしごき実験を行い,どの程度の肉厚から薄肉円筒固有の限界現象が現...